真菱国際特許事務所

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特許明細書の作成マニュアルの抜粋

「発明が解決しようとする課題」

この「項目」は、「課題」を記載するのであるが、記載の方向付けとして「課題に導く」記載とすることが基本。

発明の課題であり、実施形態の課題ではないことに注意を要する。また、この「項目」と先行する「従来技術」とは、一連のものと考えるべき。

なお、課題は、発明(特許請求の範囲)と一体的なものであり、発明からおのずと導き出されるものと、考えることもできる。よって、37条の回避のために課題を広く書くのは、小手先のテクニックでしかない。

「課題を解決するための手段」

この「項目」は、「特許請求の範囲」をそのまま、転用するのは好ましくないとされている。正論であるが、「発明の課題」を解決する手段を逸脱して、「実施形態」の課題を解決する手段にならないように、注意する。

併せて、「作用」を記載することが、好ましい。

作用」の記載により、「進歩性」ありの主張が可能となるだけでなく、「発明を特定するために必要と認める事項の全てを記載する(36条5項)」の、リトマス紙的な位置づけとして活用する。すなわち、どのようにして課題が解決されるのかを、構成(特許請求の範囲)を踏まえた客観的な「作用」の記載で裏付ける。ただし、新規性を優先させるのが前提。

併せて、用語の定義や用語の持つ広さを明示しておくこともよい。

「発明の効果」

この「項目」は、あくまでも「発明の効果」を記載するのであって、「実施形態や実施例の効果」を記載するものではない。「実施形態の効果」は、実施形態中に記載すべきもの。

必須の項目ではないので、上記の「作用」と共に記載してもよい(この方が文章としては自然)。

「発明の実施の形態」

a. 「実施形態」は、発明を中心に据えて記載する。発明から遠い部分を詳細に言及しても、「知っています」という自己満足を表明しているにすぎず、紙面の無駄。発明から遠い部分は、短文とするのであるが、その一部を記載するのではなく、全体を圧縮して記載する心図もりが必要。

逆に、発明の中心部分では、詳細に且つ多面的に、或いは「表」からの言及に加えて「裏」から言及を行うこともよい(「裏を取る」的な記載)。

すなわち、発明の中心と、現在記載している内容との距離感を常に意識する。

b. 「実施形態」であっても、分かりやすい記載とすることが必要。重複記載を避ける意味においても、書き始める前に、全体の構成(ストーリー展開)を十分に検討しておく。例えば、「装置」であれば、先ずどのような装置であるかを、発明(特徴)を踏まえて説明する。その際、大雑把な構成を記載することが、好ましい。

分かりやすい記載の要素には、的確な表現を欠かすことはできない。読み手をして、数通りに解釈できる等の記載は避ける。図面を参酌せずとも、読み手が理解できるように、表現を工夫することも心掛けるべき。

c. 補正を考慮した記載とする。構成(構造)を、上位概念、中位概念(?)、下位概念の用語を駆使いて説明しておく(図面の参照番号が多くなるが)。クレームアップ要素は、構成に加え作用効果も記載しておく。構成のバリエーションも考慮する。重複記載とならざるを得ない部分は、表現を変えて記載する。